広島大瀬良大地投手(26)が、地元凱旋(がいせん)登板で開幕ローテに当確ランプをともす。春季キャンプを終え、チームは開幕に向けて本番モード。3日から西武とのオープン戦2連戦があり、大瀬良は4日の長崎での登板を予定する。出身県のマウンドは長崎日大3年夏の県大会決勝以来。強打の獅子封じで進化を証明する。

 大瀬良が地元登板へ心をみなぎらせた。4日に故郷の長崎で、今季2度目となるオープン戦マウンドに上がる。「地元ではなかなか機会がないので、そこで投げることになるのは違った感情になると思う。プロでは初めてだし、カープが長崎でやるのも初めてじゃないですか?」。記憶にないのも無理はない。球団が長崎で試合を行うのは06年9月の横浜戦以来だ。

 長崎で投げるのは高3夏の県大会決勝以来。長崎日大のエースとして、創成館を相手に4失点完投勝利で甲子園に導いた。その時は佐世保野球場だったが、今回は県営野球場(ビッグN)で開催。大瀬良が明かす。「1年秋、初めて投げた球場だったのですが、初の公式戦で3~4点取られた。ほろ苦いイメージがあります」。成長を示すには格好の舞台と言えそうだ。

 大村市の実家から車で1時間程度とあり、家族も来場予定という。また2年前には同市に後援会が発足。昨年には同市スポーツ親善大使に任命された。試合日は同じく長崎出身の今村も登板予定で、2人は大きな歓声で出迎えられそうだ。

 昨季3年ぶり10勝の大瀬良。オフから左手を上げるフォームに改良し、キャンプも順調に消化した。2月25日は巨人とのオープン戦(沖縄セルラースタジアム那覇)に先発。ソロ本塁打で1点を失ったが、降雨ノーゲームになるまで1回2/3を投げて坂本勇、阿部らから3三振を奪った。緒方監督が「今年は球に力がある。かなり期待している」とうなるほどだった。

 「前回の試合では変化球に課題が残ったので、次はキャンプでやってきたことを出したい。ここまで真っすぐは良かったし、継続できれば。結果と内容が伴うようにやっていきたい」

 西武は侍ジャパン招集のため浅村、秋山、外崎が不在ながら強打者がそろっている。「向こうの打線は切れ目がない。力のある打者が多いので、その打者を抑えたい」と大瀬良。地元と首脳陣の期待に一発回答の好投で、開幕ローテを確定させる。【大池和幸】