今年も逆転のカープ! 広島が、シーソーゲームとなった中日との開幕戦を制した。6回に逆転されたが、その裏に田中広輔内野手(28)の決勝二塁打などで3点を奪って再逆転。チームの開幕戦3連敗が止まり、開場10周年を迎えるマツダスタジアムで初の開幕戦勝利を挙げた。緒方孝市監督(49)にとっても開幕戦初白星で、球団初の3連覇と34年ぶり日本一へ好発進した。

 緒方カープが力強く第1歩を踏み出した。自身の開幕戦初勝利となった試合後、指揮官は満足そうにうなずいた。「上位からも下位からも点が取れて、ウチらしいゲームができた。開幕戦に勝てて、たくさんのファンの前でグラウンドであいさつできたのは良かった」。逆転勝ち数は昨年が41勝、2年前は45勝と、ともに12球団トップ。そして今年も逆転勝ちから、頂点への道が始まった。

 1回、3回と先手を奪い、6回に先発野村がつかまって逆転を許した。だが、すぐに反撃。昨年の対戦4安打がすべて本塁打というエルドレッドが今年も中日小笠原から右越え同点ソロを放つと、なおも左腕を襲った。1死二、三塁から1番田中が、左越えの決勝2点二塁打。高め直球をとらえ、前進守備の外野を越えた。「外野フライでもいいという気持ちで打席に入った。速い球を待っていて、しっかりたたくことができた」。

 1回、2回にも安打を重ねており、東海大相模(神奈川)の後輩から3安打。「意地というか、いい印象もあったので」。昨年も15打数5安打と打っており、今年も貫禄を示した格好。開幕戦は過去3年間で12打数無安打だった。「いいイメージがなかったので、割り切って入った。弟(巨人・俊太内野手)が打ったので、僕よりそっちを書いてあげてください」とニヤリ。オープン戦も打率1割台と低迷したが、きっちり照準を合わせてきた。

 右足首骨折から復活の4番鈴木も安打を放ち、救援陣は7回から無失点リレーで締めた。緒方監督はこの日の朝、自宅から球場に向かう車内で「桜がきれいだ」とつぶやいた。現状のチームは何分咲きか、との問いに「今日の試合で分かるやろう」とポツリ。不安と背中合わせの指揮官だが、役者がそろっての開幕1勝は、十分な手ごたえになったはずだ。【大池和幸】