感謝の言葉に、1307日分の思いがこもった。巨人高木京介投手(29)は15年10月3日以来の勝利に「久しぶりすぎて何と言いますか…。不思議な感じ。たくさんの方に支えられて、勝ちがあると思います」とかみしめた。

悪い流れを断ちきった。2点を追う5回1死一、二塁、マウンドを託されると大きく息を吐いた。先発ヤングマンが連打されて降板した直後。「ここで流れを変えてやろうと思った」と攻めた。中日高橋を2球で追い込むと、外角低めに142キロ直球をズバッと突き刺した。見逃し三振。3球で球場の空気を変えると、7回1死まで2イニングを無失点。チームに勢いを与え、白星をつかんだ。

1歩ずつはい上がってきた。野球賭博関与に伴う1年間の失格処分後、17年3月に育成契約で再出発。18年3月に支配下に復帰するも「メンタル的に思うように行かなかった。ずっと引きずっていた」と昨季はわずか3登板。結果が出ない日々に「もがいて、もがいて、もがきながら、ここまで来た」と振り返る。

もちろん、手放しで喜びはしない。「ここからがスタート。1日1日頑張っていきたい。(過去の後悔は)今でもある」と自戒を込める。4年ぶりの勝利から、信頼を積み上げていく。【島根純】