バイタルネットはJR秋田に7-0の7回コールド勝ちし、予選リーグ2勝で、今日4日の決勝トーナメント進出を決めた。ルーキーのアルジェリア人を父に持つアドゥワ大(まさる)投手(22=東農大北海道)が先発し、5回を2安打無失点に抑えた。199センチの長身から投げ下ろす豪快な投法が持ち味で、弟誠(20)は広島の投手。“大型”ルーキーは、23日から始まる都市対抗1次新潟大会の登板へ、名乗りを上げた。

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199センチの長身から投げ下すアドゥワは、JR秋田打線にホームを踏ませなかった。この日の最速は138キロどまりも、長い手から投じられる球は角度があり、威力十分。5回を投げ、許した安打は単打2本だけ。空振り三振も2個奪った。「無失点で投げ切れたのは大きい」と登板を振り返った。

JR秋田戦の先発は大会前から言い渡されていた。「初回は球が浮いて、そこが気になった」と序盤は緊張が取れなかったが、投げるごとに安定感は増した。大学3年秋に右肩を故障する前にマークした最速145キロは出さなくても、マウンドに立つと威圧感がある。5回無失点を「最低限」と言った加藤正樹監督(53)は「あれだけの球数を投げられたの良かった」と次につながる80球の投球を喜んだ。

アドゥワの目標は都市対抗(7月)と社会人日本選手権(10月)の出場。都市対抗の1次新潟大会は今月23日から始まる。加藤監督は「相手の勢いを止めたり、味方の勢いを増すような投球に期待する」と長身ルーキーに中継ぎ起用を考えていたが、「まだ誰がどうとは決めていない」と話す。

「チームのために投げるのが大事。チームに貢献するため、1イニングでも多く投げたい」とアドゥワは言う。先発、中継ぎ、抑えのどこでもチームのために投げるつもりだ。プロ野球、広島で今季、先発ローテーション入りする弟誠の存在は「刺激になる」。全国舞台への出場を果たせば、最大の目標、プロ入りへの足掛かりにもなる。【涌井幹雄】

◆アドゥワ大(まさる)1996年(平8)6月11日、熊本市生まれ。東農大北海道から今春にバイタルネット入り。熊本・出水南小3年から野球を始め、福岡・九州国際大付3年時には夏の甲子園出場(登板なし)。大学では1年春からベンチ入りした。199センチ、88キロ。右投げ右打ち。

◆アドゥワ誠(まこと)1998年(平10)10月2日生まれ。愛媛・松山聖陵高では3年夏に甲子園出場。16年ドラフト5位で広島入団。今季はここまで4試合に登板し0勝1敗、防御率2・25。通算成績は57試合で6勝3敗、防御率3・46。196センチ、83キロ。右投げ右打ち。