楽天山下斐紹捕手の2打席連発は空砲に終わった。2点を追う8回に代打で登場。開幕から13試合連続無失点と、ドラフト制後のデビューからの連続無失点記録を更新中だったソフトバンク甲斐野の直球をバックスクリーンに放り込む1号ソロ。

「僕は1打席1打席が勝負。初球を見逃した時、打てそうな感じがあった」と2球目を完璧に捉えた。延長10回は嘉弥真から右翼テラス席へ運び「初球からスライダーが来ると思っていた」。捕手らしく読み切った。

10年ドラフト1位でソフトバンクに入団。同期の甲斐が育成から正捕手、日本シリーズMVPとサクセスストーリーを歩む一方、自身は一昨年11月にトレードで楽天へ。かつての本拠地での初アーチに「(古巣での)7年間、1本も打てなかった。今日ここで打てたのは大きい。でも、捕手としてチームを勝たせられなかったのは悔しい」。昨季まで通算2本塁打。強烈な恩返しも、サヨナラ負けに唇をかんだ。