悪夢を、払えない。5位日本ハムは先発の19歳左腕、北浦竜次投手が4回につかまり、6長短打6失点でノックアウト。打線も苦手左腕を打ち崩せず、8月2度目の4連敗で、借金は今季ワーストの5に膨らんだ。

これで、8月は19敗目(5勝1分け)。17年3、4月に並び、北海道に本拠地移転後最多に。74年8月の球団記録に、あと1つに迫った。最下位転落の危機から、抜け出せるか。

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日本ハム栗山監督は、苦悶(くもん)の表情だった。「収穫は…見えないですね」。目は、どこかうつろ。声にも力がなかった。沈む思いを振り払うように「いやいや、すごく特徴のある打線に投げられていた。ただ、ああいうところで、一気に行かれてしまうところが…」と、4回につかまった先発の北浦を評して、言葉を濁した。

連敗ストップを託された19歳の左腕にとっては、辛い敗戦となった。3回までは無安打無失点。ゆったりしたフォームから140キロ台の直球で、ぐいぐい押した。暗転したのは、スタミナが切れた4回だ。先頭の島内に二塁打を許すと、ずるずると被安打を重ね、この回6長短打で6失点。中盤でのKOは、前回先発した23日オリックス戦(京セラドーム大阪)と同様で「抑えなければいけないという気持ちが強すぎて甘く入ってしまった。走者が出てから(球を)置きにいってしまった」と、猛省した。

7月を終えて首位に0・5差の2位につけていたのが、今は幻のようだ。振り返れば、最下位はもう目前。6位オリックスに対して、ゲーム差なしで、勝率でわずかに上回っているにすぎない。指揮官は「勝ち切れていないのは、なんとかしないといけない。すべて、こちらの責任なので、しっかりやります。俺の頭の中を、もう1度、しっかり練り直すしかない」と、足早に帰りのバスに乗り込んだ。31日楽天戦で敗れれば、月間20敗で74年の球団記録に並ぶだけでなく、球団史上最悪の月間負け越し15となる。それだけは、なんとしても避けたい。【中島宙恵】

▽日本ハム城石打撃コーチ(前回2安打に抑えられた弓削から2得点も)「一気にいければ良かった。ちょっと遅かったですね。打つべきボールを打つ、前回の経験は生かしていた」

▽日本ハム横尾(6回に左前適時打)「いつも通り対応したら打てた。状態も1回、2軍に落ちてから、ずっと良いです。出たらずっと結果を出したい」