日本ハム中島卓也内野手(28)が1日、千葉・鎌ケ谷の球団事務所で会見し、今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使せず、残留すると表明した。

球団とは3年契約、総額2億7000万円(推定)プラス出来高払いで合意。チームは今季リーグ5位と、2年ぶりのBクラスに低迷。選手会長を務める、リーダー的存在は「来年優勝に貢献できるように。もう1度レギュラーを取りにいきたい」と巻き返しを誓った。

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濃紺のスーツを身にまとった中島は、静かに口を開いた。「球団や周りの方々から残ってほしいという言葉をもらって、素直にうれしかった。このチームでもう1度優勝したいという気持ちがあった」。悩みに悩み抜き、残留する道を選択した。

高卒11年目の今季、国内FA権を取得した。現役でプレーできる時間は限られる。1度しかない野球人生。今後、どんな環境でやるのがベストか、シーズン終了後は苦渋の決断を迫られる日々が続いた。「どこで輝けるのか、先のことを考えると残留の気持ちは強かったですけど、他球団の意見も聞きたいというのもあった」。FA宣言し、他球団の評価を聞いてから残留、という考えは一切なかった。「宣言するか、残留するか、どっちかというのは決めていた」。胸中は揺れたが「やっぱり『残ってほしい』という言葉が一番」と愛着あるチームに残る決断を下した。

選手会長2年目で迎えた今季、自身の成績は不本意だった。出場120試合で、打率は2割2分。平沼や石井など若手内野手が台頭し、スタメン外も少なくなかった。「思うようなプレーができずに悔しいシーズンだった。またもう1度レギュラーを取りにいきたい」。自身も、まだ28歳。後輩に定位置を譲るつもりはない。

3年総額2億7000万円、プラス出来高での合意となった。「複数年(契約)があったとしても、2年と思っていたので驚きましたね」。球団からのメッセージは、しっかり胸に落ちた。「来年優勝に貢献できるように、1年間勝負していきたい」。プロ12年目となる来季、必ず巻き返してみせる。【山崎純一】

◆中島卓也(なかしま・たくや)1991年(平3)1月11日、福岡・糟屋郡宇美町生まれ。福岡工から08年ドラフト5位で日本ハムに入団。13年からレギュラーに定着し、15年に盗塁王、ベストナインを獲得。16年は2年連続の全試合出場を果たし、日本一に貢献した。18年に通算200犠打を達成。178センチ、72キロ。右投げ左打ち。