阪神の秋季安芸キャンプで新風を吹き込む若手がいる。18年ドラフト2位の小幡。俊足と高い守備力を武器とし、今季81試合出場の植田。2日に野手陣を重点的にチェックした矢野燿大監督(50)も熱い視線を送った。

◆小幡 今季ルーキーイヤーを終えたばかりの19歳。2軍で99試合出場だった。矢野監督は「ウチのショートと考えても、総合力でもまだ」とするが、「若い選手は急に伸びる可能性を持っている」と語る。この日は指揮官の見守る中で打撃練習。パワー不足は否めない。だからこそ、走り込みと振り込みを重ねている。本人は「(20年中の1軍初昇格と)自分の中で思っています」と目標を掲げた。

◆植田 18年19盗塁、19年12盗塁。失策は18年9→19年0。23歳はすでに足と守備力では1軍で通用することを証明している。課題は打力アップ。矢野監督は「打撃を頑張ったらスタメンで出る可能性は十分ある」と言う。さらに「海(植田)も出たらチカ(近本)も元気に出たらすごくおもしろいね。相手もすごく嫌になる」。植田と近本による上位打線形成も夢ではない。打率は18年1割9分2厘、19年2割4分2厘。植田は「振る力をつけたい。打てないとなかなか試合に出られない。数多く試合に出たい」。この秋を飛躍への足がかりとすることを誓った。

矢野監督は植田について「秋で自信をつけて来年に来てくれるか。そうすると他のメンバーもいい意味で火がつく」とも。戦力底上げを図る秋が続いている。【松井周治】