強さを求めるのは、選手だけじゃない。日本ハム栗山英樹監督(58)は3日、来季へ向けた自身の強化プランの一端を示した。来春キャンプまでに、複数の人物と面会するアポイントを取り付けた。具体的な言及は避けたが、異業種のトップランナーと直接会って覇権奪回のヒントを探るつもり。今オフは積極的に課外授業を受けて、強い選手を率いられる強い監督に進化する。

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監督としての素養を高めるため、積極外交を再開する。栗山監督は「もう会いに行く人たちは、スケジュールを入れた。今回は自分で動いた」と今オフの“自主トレ”プランを明かした。過去には標津町在住のヒグマ専門の猟師、久保俊治氏を訪問。チーム強化につながる金言を授かるなど、アクティブに学びを求めたが近年は減少傾向だった。「忙しさにかまけて(知識を得る先が)本とかに行きすぎていたかもしれない。やっぱり動かないと」。原点回帰することを決めた。

タフな監督への進化のキーワードは「面授」だ。栗山監督は「何かを伝えるには、書き物(本)にしちゃダメだという人たちが、昔はいっぱいいた。表情や言葉、しぐさとかを含めて相手に向かわないと伝わらないということ」と面授の意味を解説した。

何事に通じる普遍の真理は、簡単に伝授されるものではない。対面して、心と心を通い合わせ、教えを請うことで、初めて授けてもらえる。「要するに書き物の言葉だけじゃ、本当の魂みたいなものが伝わらない。だから、その場所へ行った方がいいと思った。1対1で話さないと大切なものは伝わらない」と労を惜しまず、異業種のトップランナーに飛び込むつもりだ。

肝心の訪問先については、あえて伏せた。「あんなところ行ってるよ、みたいなことがあるかもしれないよ。ヒマラヤの上に行ってみたり(笑い)。でも、テーマはタフになる、だ」と宣言した。3日は沖縄・国頭での秋季キャンプ最初の休日を過ごし、4日からは第2クールが始まる。肉体を追い込む選手を頼もしく見つめながら、栗山監督も今オフは心と頭を追い込む。【木下大輔】