強固な3つの柱をつくるため、ひとまず「おふざけ」を封印する。新任の日本ハム武田勝投手コーチ(41)が4日、沖縄・国頭の秋季キャンプに合流した。「(今季の投手陣には)形がなかった。各ポジションで軸になる投手が最低1人は必要。そのために、少しでも早く選手のことを把握できたら」。先発、中継ぎ、抑え、それぞれに軸となる投手の必要性を説いた。

今季はショートスターターの戦術を用い、上沢、マルティネスら故障離脱の影響を最小限にとどめる一方で、役割が定まらない投手も多かった。「『今まで、こんなコーチいなかった』と思われるような、選手にとって身近な存在」を目指し、対話重視で選手との信頼関係を築き、適材適所を見つけていく。

自身の引退セレモニーでは、オカリナを演奏。U-15侍ジャパン監督だった11年アジア選手権でも、ベンチ内に「ピコピコハンマー」を持ち込んだ前例もあるが、「慣れてきたら怒られるほどふざけてしまう」と、今秋は“マジメ路線”で指導にあたる。同じ左腕の加藤は、さっそくこの日のブルペンで助言をもらい「勝さんが来てくれて心強い」とほおを緩めた。

3年ぶりに袖を通した日本ハムの練習着。指導初日を終えた新米コーチは、報道陣に感想を問われると、封印したはずの「おふざけ」が少しだけ顔をのぞかせた。

「いい生地だな…と思いました」

何故か着心地に言及する照れ隠しのボケで、笑いを誘った。【中島宙恵】

○…来季5年目を迎える日本ハムの左腕・上原は、ルーキーイヤーの16年に1年だけ武田投手コーチとともにプレーした。チェンジアップを操り4年連続2桁勝利の実績を持つ技巧派左腕からは、たびたび助言を受けた。「いつも、ノリが軽いんですよ。そのおかげで、すごく気持ちが楽になった」と、にっこり。「奥行きの使い方は、すごく勉強になるはず」と、OBコーチの着任を喜んだ。