中日エンニー・ロメロ投手(29)が2月29日、広島とのオープン戦(ナゴヤドーム)に先発も、4回途中に緊急降板した。降板後に名古屋市内の病院で検査の結果、左肩棘下筋(きょくかきん)付着部の炎症と判明。炎症と痛みが取れるまでノースローとなり、開幕に黄信号がともった。

本拠地オープン戦“開幕投手”を務めたロメロを、アクシデントが襲った。開幕戦と同じ広島を相手に3回まで1安打無失点、4奪三振と好投。最速153キロもマークしたが、4回2死三塁で会沢への2球目を投じた直後に異変が起きた。阿波野投手コーチ、トレーナー、通訳がマウンドに駆け寄り、ベンチに戻るとすぐさま鈴木博への交代が告げられた。

今後について、阿波野投手コーチは「肩? そうですね。4回を投げさせる予定だったが、力が入らない状態。何日か後にピッチングをすることは考えづらい。時間は要するのではないか」と説明した。

ロメロは入団1年目の昨年、21試合に先発。8勝10敗と負け越すも、大野雄、柳に次ぐ立場で先発ローテーションを守った。阪神に移籍したガルシアの穴を埋め、9年ぶりのV奪回を掲げる中日にとっては貴重な先発左腕だった。

試合は3-1の逆転で、開幕カードに先勝。与田監督は「試合に勝ててホッとした。(ロメロは)大きなケガにならなければいいが…」と話した。オープン戦本拠地初戦勝利の中、シーズンへ暗雲が漂った。【伊東大介】