「9・27」は「TOGO」の日。巨人戸郷翔征投手(20)がメモリアルな日に今季8勝目を挙げた。

ちょうど1年前の19年9月27日は、阿部慎之助ヘッドコーチ代行(41)の引退記念試合だった。プロ初勝利をマークした日から1年後も白星を奪取。「GOTO」新人王&優勝へ突き進む。チームの優勝マジックは24となった。

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戸郷は「あんまり意識はしていなかったですけど、試合前に勝てたらいいなとは思っていました」と記憶を思い起こした。ちょうど1年前。同じ東京ドーム。阿部の引退記念試合。相手はDeNAだった。同点の5回。5番手でプロ2戦目のマウンドに上がった。直前の4回裏、背番号「10」阿部が同点の1発を放っていた。そんなメモリアルな試合で4イニングを2安打無失点。プロ初勝利を手にした。

20年9月27日。相手は中日。中継ぎではなく先発として、本拠地のマウンドに上がった。初回先頭から連打でピンチを背負ったが、落ち着いていた。1死一、二塁からビシエドに3球勝負。全球直球で見逃し三振に片付けると、高橋はスライダーで投ゴロ。「宮本さん、炭谷さんから『思い切り行け』と言われて切り替えられた」と背中を押され、2回以降は安定感を増した。最速150キロ直球と落差のあるフォークを軸に7回4安打無失点。背番号「80」に変わった阿部ヘッド代行とともに、ベンチで勝利の瞬間を見届けた。

プロ1勝を挙げた日から1年後。今季8勝をマーク。目標に掲げる「新人王」でライバルの広島森下に2勝差をつけた。「どのくらい差があるとかはあまり気にしていない。ただ、チームのためにやっていかないといけない」と20歳ながら、周囲の雑音にとらわれることはない。3戦連続で勝利から遠ざかり、前回はプレートの位置を一塁側に挑戦するなど試行錯誤。エース菅野、阿部ヘッド代行からアドバイスを受け、つかんだ8月27日ヤクルト戦以来の白星。「TOGO」が新人王、優勝へ「GOTO」だ。【栗田尚樹】