「4番山口」がマルチ長打でオープン戦のスタートを切った。ロッテ山口航輝外野手が4番一塁でフル出場。4回にはオリックス田嶋から、左中間へ豪快なフェンス直撃二塁打。7回無死一塁でも、山田から今度は右中間を割る適時二塁打を放った。「調子がいい時は右に大きい当たりが飛ぶ。そこはよかった」とうなずいた。

2月の練習試合10試合で打率3割をクリア。これで3試合連続の4番起用。すべてで安打したが、いずれも単打だった。「長打を狙わずに、やるべきことを考えて打席に立てば自然と打球も上がってくる」とコツコツ打ち続け、確実に打球の角度を増してきた。

京セラドーム大阪は地元。「友だちとか親とか、高校の先輩も見に来てくれてたんで、いいとこ見せたいなと思って頑張りました」。幼少期にはロッテ戦も頻繁に観戦に来た。当時スタンドから見ていた荻野や角中は、憧れから同僚になった。

井口監督は「どんどんレベルが上がってきている」と右の大砲候補の成長に目を細める。本職でない一塁守備もきっちり務めた。6日から1軍に合流するレアードや、井上が上がってきてからが本当の競争。山口は「いい場面で回ってくるのが4番。いかに1本でも多くチームに貢献する打撃をするか。負けずに、ファーストのレギュラーをとりにいく気持ちを持ってやりたい」。真っ向から挑む。

▽ロッテ藤原(6回に一時勝ち越しとなる2点二塁打を放ち、開幕スタメンへアピール)「真っすぐを逆方向にしっかり打てたのでよかったです。同い年の山口も頑張っているので、一緒に最後まで1軍に残れるよう頑張ります」

◆山口航輝(やまぐち・こうき)2000年(平12)8月18日、大阪市生まれ。明桜では1年春の東北大会からベンチ入り。3年夏の県大会は吉田輝星を擁する金足農との決勝に敗れ、甲子園出場なし。18年ドラフト4位でロッテ入団。20年は2軍で全70試合に出場し、チーム最多の7本塁打、30打点。今季推定年俸560万円。183センチ、97キロ。右投げ右打ち。