中大が、プロ注目の皆川喬涼投手(4年=前橋育英)の大学初完投、初完封勝利で、優勝した19年秋以来の開幕4連勝を果たした。

最上級生の自覚が投球に伝わった。低めに集め、安定した投球で亜大打線を5安打9三振に封じた。「今までで一番よかったと思います。完封勝利は記憶にない」と笑顔を見せた。

1年春のリーグ戦でデビューし、3年間で28試合に登板するもわずか2勝。しかし、今春リーグ戦ではこれまで4試合に登板し3勝目と絶好調だ。

清水達也監督(56)は「4年になって自覚が出てきた」と評価する。昨年春のキャンプでメンバーを外れた悔しさが、皆川を変えた。「上を目指すなら、自分を変えないといけない」と練習から積極的に取り組むようになった。「ランニングも1本1本丁寧に。トレーニングもただやるのではなく、この動きがどうつながるかを考えて取り組んだ」。これまで四球で崩れることが多かったが、体のバランスがよくなり、下半身からボールに力が伝わった。安定感が増し、最速も149キロに伸び、ドラフト候補に挙げられるまで成長した。

皆川は「チームが勝ち続けていることが一番うれしい」と、頼もしいエースの表情を浮かべた。