エースへの階段を上る。ヤクルト金久保優斗投手(21)が、6回を投げて5安打無失点でプロ2勝目。チームの連敗ストップに貢献した。プロ1年目でトミー・ジョン手術を受けた右腕は、4年目で花が開きつつある。

ギアを上げた。これまで投げきることができずにいた鬼門の6回、先頭から連打を許して無死一、二塁のピンチを招いた。「どうしても投げきりたかった」と強気を取り戻した。150キロ超えの直球を連発させ、4番佐野、5番牧を連続空振り三振。続く宮崎を二ゴロに打ち取ると、グラブをポンとたたいた。

大けががあったから今がある。プロ入り直後からボールを投げられない日々が続いたが、下を向かずにひたむきにもがいた。「高校時代は投げ方はいまいちだった。そこでリセットできて、一から直せたことはいいことだったなと思う」とプラスに捉える。ドラフト同期で同学年の村上が頭角を現す中、地道なフォーム作りに励んだ。リリースポイントが後ろだった欠点を解消した。球速よりも質にこだわる直球。「今の方がしっくりくる」と納得のいくボールをつかんだ。

14日DeNA戦でプロ初勝利を挙げるなど、先発ローテーションに定着。苦難を乗り越えた。この日は最速151キロで6奪三振。「一番の武器は真っすぐ」とキッパリ。右肘への不安はもうない。不動の4番村上のように、投球でチームを引っ張るため、真っ向勝負で腕を振っていく。【湯本勝大】

▽ヤクルト高津監督(金久保に)「今日のような投球ができれば、計算できる先発投手としてやっていける」

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