自身6連勝中だった日本ハム上沢直之投手(27)が、天敵ロッテの壁を乗り越えられなかった。

先発したロッテ7回戦(静岡)は要所で手痛い失点を重ね、11登板ぶりの黒星となる3敗目を喫した。これでロッテには19年シーズンから7試合に先発して7連敗となった。チームも2カード連続で初戦を落とし、借金は再び今季ワーストタイの14に逆戻りした。

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降板後の上沢のコメントが、全てを物語っていた。「要所要所を抑えたかったのですが、粘り切れず悔しい気持ちです」。

1つ目の要所は4回、1点リードで迎えた試合中盤の入り口だった。先頭の中村奨を安打で出塁させるとマーティンはタイミングをずらした三ゴロ。打球が緩く、一塁走者の中村奨に二進を許し、レアードに三塁線を破られて同点適時二塁打を浴びた。

2つ目の要所は続く5回。今度は先頭の高部に四球を与え、犠打と安打で1死一、三塁。内野陣は併殺シフト。角中には低めへの139キロのフォークでゴロを打たせたが、打球は一、二塁間を破られた。併殺を取りづらい方向へきっちり引っ張られて勝ち越し適時打を献上。さらに1死一、三塁からは中村奨に犠飛を打たれて3点目を失った。

6回9安打3失点。11試合連続でクオリティースタート(6回3失点以下)を達成にも「最低限の仕事しかすることができず、申し訳ないです」。両リーグトップの320得点を誇る相手打線による、そつのない攻撃に、この日もやられて対ロッテは足かけ3年で7連敗。自身の連勝も6で止まった。

栗山監督は「連勝が続いていたので勝たせてあげたかった」と、上沢の気持ちをおもんぱかった。続けて「まあ、点を取っていたら全然違う展開になっているので」。リーグワーストの212得点の打線は2併殺もあり、6安打で1得点。効率よく得点を重ねられただけに、明暗がはっきり分かれた静岡第1ラウンド。守りでは要所は締め、攻めでは好機にたたみ掛ける。エースで喫した黒星を教訓に次につなげていくしかない。【木下大輔】