阪神がサイン盗みを疑われて騒動になった6日ヤクルト戦から一夜明け、井上ヘッドコーチは練習前の全体ミーティングで紛らわしい行為に気をつけるよう選手たちに伝達した。

疑惑を向けられたのは5回2死一、二塁、打者佐藤輝の場面。二塁走者近本が左手を真横に動かすなどし、サイン伝達を疑ったヤクルト村上が審判にアピールした。ここから両軍ベンチが言い合いとなり、名幸球審は紛らわしい行為として近本を注意。その後、審判団が矢野監督と高津監督を呼んで話し合う騒動となった。

この日にセ・リーグ杵渕統括は「リーグ統括として近本選手の動作は紛らわしいと率直に感じるが、サイン盗みまであったとは思っていない」と見解を示していた。阪神の嶌村球団本部長は「当球団はそのような行為は全くしておりませんし、する意思も全くございません」と完全否定。近本から一連の動きについて話を聞いたといい、「帰塁のタイミングを計る中でそういうことがあった。今後は気をつけていくということ」と説明した。

嶌村球団本部長によると、矢野監督と高津監督が試合前に話し合い、この件は解決したという。またグラウンド上では矢野監督、井上ヘッドコーチとヤクルト森岡内野守備走塁コーチが話をする場面もあった。

近本は1回に二塁走者となり、両手を両膝の上に置いて動かさずプレーした。【石橋隆雄】