阪神藤川球児スペシャルアシスタント(SA=特別補佐、41)が25日、兵庫・西宮市内のグラウンドを訪れ、8月の全日本女子選手権に出場する女子チーム「阪神タイガースWomen」を激励した。

練習前の円陣に、虎のレジェンド右腕が加わった。「全国大会、何とか勝ってください」。選手の表情も引き締まる。さらに、自身が参加した、ある野球教室で3分の1が女子だった話を持ち出し「みんなが華やかに頑張っているので、『5、10年先、絶対プロ野球選手に女子がなれると約束する』と言ってきてます。大変ですけど頑張ってもらいたい」と願った。

女子チームメンバーは平日仕事にいそしみ、週末など限られた時間で練習を続けている現状を知った。藤川SAは「つらいなとか、年齢が来たなとか、体がしんどくてとか、結婚で辞めたいなとか…。いろんな思いが出てくると思う」と言うと、「男性と同じように結婚しても続けられるような、いつかそんな時代が絶対に来ると思う。(女子チームアドバイザーの)木戸(克彦)さんを信じて、監督を信じて頑張って」と続けた。苦しい環境に負けず女子野球の先頭に立ってほしい-。そんな願いを込め言葉を紡いだ。

この日、選手たちは紅白戦で調整を行った。炎天下で声を張り上げ、時には笑顔でプレーする選手を藤川SAは温かいまなざしで見つめた。三浦伊織主将(29)は「より一層、全国大会へ向けて頑張りたいと思いました。私たちも次の世代につなげていけるようにタイガースのユニホームを着ているので、女子野球の発展につながるような行動をしていけたら」と力を込めた。火の出るような熱い直球エールを受け取り、「阪神タイガースWomen」が全国に挑む。【中野椋】