阪神が3位ヤクルトに大敗した。今季初先発の高橋遥人投手が4回6失点。期待された左のエースが課題の拙守にも足を引っ張られ、序盤で試合は崩れた。15安打を浴びて、13失点。9月の4勝は全て逆転という「逆転の虎」もさすがに発動ならず、白旗を揚げた。首位は保ったが、ヤクルト3連戦は1勝2敗で計28失点と火だるまだっだ。

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312日ぶりのマウンドに立った高橋を、味方は助けられなかった。

「チームも優勝争いをしている中で今日投げさせていただきましたが、試合を壊すような形になってしまい、チームに本当に申し訳ないです」。

4回9安打6失点(自責5)で今季初黒星。この日の最速は150キロを計測するも、不運な内野安打もありリズムに乗れなかった。

緊張の面持ちで向かった初回。先頭の塩見から連打を許した直後だった。山田をボテボテのゴロに仕留めるも、三塁手大山のジャンピングスローが高めに浮き悪送球。無死満塁とピンチは広がり、4番村上に初球の直球を左翼へ運ばれ2点を先制された。

相手に渡した流れは断ち切れない。1死一、二塁から、中村の左前打を処理したサンズがファンブルし、その間に二塁走者の山田が生還。さらにサンタナの中堅への飛球に近本がチャージして後逸し、2人がホームを踏んだ(記録は二塁打)。失策数は両リーグワーストの72。復帰戦の高橋をもり立てるはずが、大きく出ばなをくじかれた。後を受けた藤浪も2失点、3番手岩貞も5失点。初回の勢いのまま、ヤクルトに大勝を許した。

高橋は上肢コンディション不良でリハビリを続け、満を持して今季初マウンドに臨んだ。白星で飾ることはできなかったが、尻上がりに調子を上げて3、4回は無失点に抑えた。矢野監督は「やっぱりいいときの状態ではないよね。捉えられている打席も多かった」と指摘した上で、「次回も考えてるよ」と再び先発チャンスを与えることを明言。一方、失策が続いた野手陣については「まあまあ、締まらんわね」と苦言を呈した。

8月29日広島戦(マツダスタジアム)から9戦連続で先制を許している。打線の反発力が光るが、全てで劇的に勝利することはできない。次こそ先手を取って勝ちきりたい。【磯綾乃】

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