2軍調整中の阪神佐藤輝明内野手(22)が、最短1軍復帰へ1発回答を狙う。17日のウエスタン・リーグ中日戦(ナゴヤ)は雨天中止となった。1軍再登録は20日から可能となる。

最短復帰まで残された機会は18、19日の同戦2試合。「持ち味なんで、そこを出していければ上がれるんじゃないか」と2軍降格後、初本塁打で猛アピールする。また、1軍の中日戦(甲子園)も台風14号の影響で中止となった。

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ナゴヤ球場の去り際、佐藤輝は立ち止まった。2軍中日戦が雨天中止となり、最短での1軍再登録の20日まで、残り2戦。報道陣に囲まれ「しっかり打って、そこで上がれるか分からないですけど、上に行くためにしっかりやっていきたい」と静かに闘志を燃やした。さらに、本塁打が分かりやすいアピールになるのでは-の問いに、187センチの背筋を伸ばして続けた。

「そこは自分の持ち味なんで、そこを出していければ上に上がれるんじゃないかなと思います」

2軍降格後、16打数3安打。16日のソフトバンク戦(甲子園)では1、2軍含めて約1カ月ぶりのマルチ安打で復調の兆しを見せた。「良くはなってきていると思う。あとは長打を打てるように、もうちょっと調整しながらです」。手応えをつかみつつ、もう1つギアを上げる必要があると認識している。

この日、井上ヘッドコーチは「きっちりいいものを見せてくれて2軍の監督の推薦があってから考える、というところを考えれば、20日の最短は確定ではない」と説明した。結果と内容が伴う打席が増え、佐藤輝自身も求める本塁打を打つことが、同ヘッドの言う「いいもの」に他ならない。

小雨の降るナゴヤ球場では室内練習場で調整。フリー打撃で50スイング。ルーティンの「置きティー」では、スイング後に軸足の左足を蹴り上げバランスを保つような動きを試した。「いろいろ試しながら。1つの遊びです」。時折首をかしげながら、それでも一振りずつ丁寧に。好調時の映像を見て、動きと感覚をすり合わせる作業も続けている。あの手この手で完全復活の道を進む。

優勝戦線の1軍の試合も、画面越しに入ってくる。「ちょくちょく見たりしています。早く戻ってプレーしたいなと思います」。周囲がなんと言おうと頭にあるのは、いち早く1軍の舞台に戻ること。週が明け、21日からの1軍中日戦はバンテリンドーム。“ナゴヤ残留”を目指し、復活のアーチをかける。【中野椋】