阪神が矢野燿大監督(52)に来季続投を正式に要請したことを18日、明らかにした。この日の甲子園球場での阪神-中日17回戦の試合前に藤原崇起オーナー兼球団社長(69=阪神電鉄会長)が、報道陣の代表取材に応じた。「おととい(16日)、球団事務所で来季もお願いしたいという話をさせていただきました」と矢野監督へ直接伝えたことを明かした。矢野監督は前向きに受け取ったかという質問には「そう願っております」と話した。

矢野監督は18年10月に3年契約で就任。1年目の19年シーズンは貯金1で3位、2年目の20年シーズンは貯金7で2位。そして、契約最終年の今季は18日の試合前時点で貯金15と首位を走っている。藤原オーナー兼球団社長は「今年はドラフトも早く、シーズンの佳境に入って、こういう話はできないので、この時期に話しておこうと」と説明。16年ぶりの悲願のリーグ優勝へ集中し、10月11日に行われるドラフト会議も控えるこの時期に正式に伝えた理由を説明した。

今季の矢野監督は4球団競合のドラフト1位佐藤輝が23本塁打、同2位の左腕・伊藤将が7勝、同6位の中野が遊撃手のレギュラーを奪うなど、新人を積極的に使いチームは厚みを増した。8人態勢の外国人選手も球団史上初の助っ人3人でのクリーンアップを組むケースがあるなど、やりくりをしながら力を引き出した。8回岩崎、9回スアレスの必勝パターンを確立。近本、中野だけでなく代走も積極的に走る機動力野球も定着してきた。「非常にすばらしい。後半戦についてもいろんな選手の状況があるが、いろんな手を打って頑張ってくれている。(就任して3年で)進化している」と高い評価をしている。

契約年数や条件などの細部はシーズン後に改めて詰める予定。矢野監督が続投すれば、来季4年目となり、12~15年の和田豊監督以来となる。