阪神秋山拓巳投手(30)、青柳晃洋投手(27)の最多勝争いが、負けられない戦いを続けるチームの大きな原動力となる。2人とも先発の機会は多くてもあと2回。10勝での秋山は中7日で17日広島戦(甲子園)に先発する。大事な甲子園5連戦の初戦を任され「絶対に負けられないので、チーム全体に活気や勢いが出る投球を…」と力強く話した。

秋山は今季広島戦に8試合登板し、5勝2敗、防御率1・64。勝ち星の半分を稼ぐ得意な相手だが「鈴木誠に本塁打を打たれてしまった試合で2敗しているので、全力で抑えたい」と、絶好調の主砲封じを勝負のカギとした。この日は甲子園での投手指名練習で、ブルペン入りするなど調整を続けた。

12勝で広島九里とリーグトップタイの青柳は中6日で首位ヤクルトとの最後の直接対決2連戦の初戦(19日)のマウンドに立つ。シーズン前から今季の目標を「13勝」に設定していた。9月は4試合で0勝3敗と1勝もできなかったが、10月は2戦2勝と好調。今季のヤクルト戦は6試合で3勝1敗。防御率は3・19。この日は遠投やポール間走で汗を流した。前回12日巨人戦で12勝目を挙げた時には残りの戦いについて「負けるわけにはいかない。ずっと勝ち続ければまだチャンスはある」と話している。

阪神の最多勝投手は14年メッセンジャー(13勝)、日本人なら05年下柳(15勝)以来となる。秋山、青柳のようにチーム生え抜きとなれば03年井川(20勝)以来18年ぶりの快挙。タイトル奪取で逆転Vを実現する。【石橋隆雄】