ソフトバンクの5年連続日本一への道が、完全に閉ざされた。楽天に完敗し、今シーズンの4位が確定。

今季限りで退任する意向の工藤公康監督(58)は、就任7年目で初のBクラスとなった。08年以来13年ぶりの勝率5割をきってのシーズン終了も確定。可能性のある限り、死力を尽くして戦ってきた指揮官は「もう、これはね、監督であるぼくの力不足というところだと思います。選手は一生懸命やってくれたと思うので。その中で、十分な力を発揮させてあげられなかったという思いが強いです」と、選手たちにわびた。

この日は適時失策から2回に3点を先制されると、その後もずるずると失点を重ねる悪い展開。打線も楽天先発の滝中を打ちあぐね、わずか1得点に抑えられた。6回には浅村の3ランでとどめを刺され、なすすべなく敗れた。

今季はシーズン序盤からエース千賀や守護神の森が離脱。打線の主軸であるグラシアルも5月に負傷離脱し、戦線に戻れず。投手、野手ともに若手を起用しながらやりくりしてきたが「けが人が出るのはどこの球団でも同じなのでね。その中でどうやって勝っていくかを考えるのがぼくの仕事だと思うし。その力が足りなかった」。就任7年でリーグV3度、日本一5回の工藤監督をもってしても、逆境をはね返せなかった。

ただ、日本一5連覇が絶たれても、工藤監督の信念は変わらない。「順位が確定したからといって、残っているゲームをいいかげんに、というのは絶対にやってはいけない。ホークスらしい、全力プレーする姿をファンの方に見てもらって、また来年以降も応援してもらえるように」。残り2試合、ベストを尽くして締めくくる。【山本大地】