阪神中野拓夢内野手(25)がCS初戦に全集中する。6日からのCSファーストステージ巨人戦へ向け、「まだ日本一のチャンスはある。短期決戦は勢いが大事だと思う。勢いを作るためにも初戦が大事になってくると思うので、いい準備をして臨みたいと思います」と力を込めた。

ドラフト6位で三菱自動車岡崎から入団。下位指名ながら走攻守で周囲の期待を上回る活躍を続けてきた。135試合に出場し、球団新人歴代6位の127安打。シーズン途中から2番に定着し、リーグトップの30盗塁を稼いでタイトルも決定的だ。「正直、ここまでできるとは思っていなかった」。これが偽らざる本音だろう。

順風満帆に見える1年目で、人知れずプロの壁にぶつかっていた。6月25日から7月3日まで、24打席連続無安打。打席では恐怖心が芽生える時もあった。

「あの時は本当に苦しかった。打てない時は正直、打席に立ちたくないなという思いも…。打てなくなると消極的になってしまう部分が多いので、バットを振るのも怖がっていた部分がありますね」

ただ、そこは同期入団の佐藤輝に負けじと結果を残してきたルーキー。並のメンタルではない。「今日もやってやろうか! という気持ちを持っていくことで自分の中でスイッチが入る。そういう思いを持ってグラウンドに行くようにはしていました」。ユニホームを着てベルトを締めれば、リセットできる。日々、気持ちの切り替えができるから安定した数字を残し続けることができた。

自力でレギュラーを奪い成長を遂げた中野を、矢野監督もあらためて称賛した。「走攻守、だいたい想定以上にやってくれた。課題もまだまだあるんだけど、全体的に課題もクリアしつつあるんで、まだ伸びしろもある」。夢は無限大。171センチの背番号51が、ポストシーズンでも、でっかいプレーを連発して見せる。【中野椋】