セ・リーグ優勝のヤクルトが、全体練習前に“チーム一丸”となった。グラウンドで行われた青空ミーティングで、高津臣吾監督(52)は「僕たちはセ・リーグでチャンピオンになったけれども、決して横綱ではない。横綱というのは、どっしり構えて、相手の力をしっかり受け止めて、そこから前にいく。かかと体重でも、それでも前にいくのが横綱。でも僕らは、常に前のめりで、積極的にチャレンジ精神を持ってここまで戦ってきた。これは、今日から戦う巨人相手も一緒のこと。絶対に受け身になってはダメ」と選手へ訴えかけた。

全体練習が始まる前に、普段は神宮外苑で練習を行う投手陣がグラウンドに移動。スタッフから「集合!」の声がかかると、早出練習を行っていた野手は手を止め、外野の右翼付近に全員が集まった。

高津監督は9日に「明日、ミーティングはしようかなと思っています」と話していた通り、全員にCSファイナルステージに向かう熱い思いを伝えた。「絶対にやってはいけないのは、腰を引いて受け身になること。絶対にやらないといけないことは前のめり、積極的に、全力でバットを振る、しっかり腕を振る、そのことだけに集中してやっていければ絶対に勝てる。絶対できる。何度も繰り返して申し訳ないけど、大丈夫だから。君らは絶対やると僕らは信じている。君らは全力で、グラウンドでパフォーマンスを発揮してくれ。僕らは全力で君たちを応援します」。指揮官の言葉に、選手たちは大きくうなずいた。

シーズン終盤の合言葉となった「絶対大丈夫」と同じように、選手のパワーを引き出す言葉が並んだ。大きな輪をつくって行われた約3分間のミーティングが終わると、選手は気合の入った表情でそれぞれの練習に戻った。