阪神は11日、佐藤輝明内野手(22)がシーズン終盤に左膝を痛めていたと発表した。59打席連続無安打など失速し、矢野監督はけがの影響を認めた。秋季練習はこの日から野手が甲子園、投手が鳴尾浜で本格的に始動。佐藤輝は一部別メニューとなったが、打撃練習はフルに消化した。「遊び心」ある数種類のティー打撃に加え、フリー打撃では計164スイング。焦らず、打撃に注力して実りの秋を目指す。

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甲子園球場内の取材エリアで、佐藤輝は静かに負傷した左膝の状態を明かした。「詳しいことは言えないですけど、終盤です。無理はしていないですけど、完治はしていない」。126試合に出場したルーキーイヤー。最後は痛みを抱えながら走り切っていた。

球団新人記録を更新する24本塁打を放ったが、前半戦の20本に対して後半戦は4本。その後半戦はプロ野球の野手ワースト記録を更新する59打席連続無安打など失速した。負傷の影響について矢野監督も「ゼロではない」と認め「シーズン中も無理はさせられない。(負傷は)もちろん分かっていることやった。これ以上、この時期に(無理をさせる)っていうことにはならなかった」とこのタイミングでの公表に至った。

2年目の逆襲へ休んでばかりはいられない。この日から秋季練習が本格始動。佐藤輝はランニングや走塁、守備などから外れ、一部別メニューだった。幸いバットは振ることができ、ルーティンの「置きティー」に数種類のティー打撃を新たに追加。北川打撃コーチに後方や約5メートル離れた真横からトスしてもらうなど、従来の練習に変化をつけた。

同コーチは「遊び感覚。いろんなことに対応するため、いろんな角度でティーをすることは大事」と意図を明かした。シーズンが終わったからこそ、固定観念を外して打撃の引き出しを増やしていく。全体練習のフリー打撃では39スイングし、個別練習では約30分で125スイングのうち柵越え5発。最後は約20分間のロングティーで締め、故障を抱えているとは思えないほど振りまくった。「無理しない程度に、全ての面でレベルアップしていけるようにやっていきたいです」。失速した成績とは裏腹にこの秋、向上心は加速するばかりだ。【中野椋】

<主な阪神左打者の左膝故障>

◆掛布雅之 79年に48発で初の本塁打王を獲得したが、翌80年の4月に左膝を故障。70試合の出場で、わずか11本塁打に終わった。オフには南海門田博光とのトレード報道も出た。

◆金本知憲 06年8月6日の広島戦では、7回に一塁走者として送球が左膝に直撃。しばらく動けなかった。関節打撲だったが試合中に自分で周囲をたたいて治し、8回に14号満塁弾を放った。07年6月には自打球などで左膝を痛め、通常なら手術が必要な「左膝内側半月板損傷」。そのままシーズンを戦い抜いたが、同年、翌年と2年連続でオフに手術した。

◆福留孝介 日本球界復帰初年度となった13年の5月3日、ヤクルト戦で1回に中前適時打を放った際に左膝を負傷。同8日に出場選手登録を抹消され、同28日には左膝内側半月板のクリーニング手術。1軍復帰は8月中旬まで3カ月以上かかった。その後に左ふくらはぎを痛めた影響もあり、このシーズンは63試合出場で打率1割9分8厘、6本塁打と不本意に終わった。