阪神は15日、野村克則氏(48)が2軍バッテリーコーチに就任したと発表した。兵庫・西宮市内の球団事務所で入団会見が行われた。背番号は「87」で、年俸は1500万円。

野村コーチは現役時代、00年から04年開幕直前に巨人へ移籍するまで阪神に在籍していた。18年ぶりの復帰となる。「また、こうして声をかけていただいて、身の引き締まる思い。伝統ある球団でコーチができるのは光栄。2軍の底上げがしっかりできれば」と話した。今季まで楽天でコーチ(今季は育成捕手コーチ)を務めていたため、パ・リーグやイースタン・リーグの試合を中心に見ていたため、まだ選手は把握していないという。

阪神には来季大卒2年目を迎える強肩の栄枝裕貴捕手(23)、高卒3年目の藤田健斗捕手(20)、今年のドラフト7位指名の京都国際・中川勇斗捕手(3年)と次世代の正捕手候補となる好素材が多い。「しっかり観察して、コミュニケーションを取ってやっていけたら。僕は本当に根気と情熱を大事に、しっかり選手と向き合うことをモットーにやっている。野球に対する姿勢、捕手としてどうあるべきかを伝えたい」と熱く語った。そして「下半身を鍛えるしかない。涙が出るくらい鍛えてあげたい」と笑いながら、厳しい指導を宣言した。

父である元阪神監督の野村克也氏(享年=84)が、生前、矢野監督が率いる阪神について「すごく心配している部分はあった。そういう話は多少していました」と、気にかけていたことを野村コーチは明かした。プロでも現役、コーチとして野村監督の「ノムラの教え」をたたき込まれた。「僕の基盤は野村監督からご指導いただいたものだと思っている。野村監督の考えプラス自分がやってきたものを掛け合わせながら、後につないで、残せていけたらいい」と、カツノリ流もプラスした教えを若虎たちに注入していく。

 

◆野村克則(のむら・かつのり)1973年(昭48)7月23日生まれ、東京都出身。堀越、明大を経て、95年ドラフト3位でヤクルト入団。阪神、巨人、楽天でもプレーし、06年に現役引退。通算222試合で4本塁打、17打点、打率1割8分5厘。引退後は楽天、巨人、ヤクルトでコーチを歴任。今季は楽天の育成捕手コーチを務めた。178センチ、84キロ。右投げ右打ち。