02年以来2度目の決勝進出を果たしたホンダ熊本(大津町)は東京ガス(東京都)に敗れて、初優勝はならなかった。

先発の横川楓薫投手(25=東海大)が3失点で1回を持たず降板。2番手の福田大輔投手(29=白鴎大)も4回に2失点してマウンドを降りた。

打線は1発攻勢だった。6回2死走者なしから中島準矢外野手(24=筑波大)が右翼スタンドにソロ本塁打。1-6の8回無死走者なしから和田裕生内野手(26=専修大)が左翼席にソロ本塁打を放り込んだ。9回2死一、二塁からは途中出場の丸山竜治捕手(21=熊本工)が左翼スタンドへ3ラン。「打席に入る前にベンチのみんなが自分を信じろと言ってくれたおかげで打てた」と手応え十分の1発を振り返った。1点差に迫り、その後も連打でつないだが、あと1歩届かなかった。

6回途中から5番手で登板して2回2/3を無失点に抑えて反撃を呼んだ片山雄貴投手(28=駒大)が久慈賞を受賞。準決勝では完投勝利と好投を見せ、「自分のピッチングは初戦から今日までしっかりやりきれた」と手応えを語った。それでもチームが準優勝に終わり「初めての個人タイトルなのでうれしい半面、悔しい」と口にした。

渡辺正健監督(52)は「すべてを出し切った結果。完全な力負けだったと思います」と結果を受け入れた。最終回の追い上げには「劣勢な中、最後に意地を見せてくれた。選手はよくやってくれたと思います」と選手をたたえた。初優勝は逃したが、今大会では準決勝までの4試合は1点差ゲームを勝ち抜いたことを評価。「今回の都市対抗では1点を取っていく野球をやって成果として準優勝になった。財産になったので、これをさらに磨いていきたい」とさらなるチーム力アップを誓った。【林亮佑】