今季まで選手会長を務めた広島田中広輔内野手(32)も契約を更改した。現状維持の1億5000万円でサインし、来季は2年契約の2年目を迎える。今季は開幕スタメンも状態が上がらず、シーズン序盤に遊撃のポジションを小園に譲った。自身最少の81試合出場にとどまり、打率2割6厘、2本塁打、8打点、1盗塁。「見ての通り情けない。これまでの野球人生で、体が元気でこんなに苦しいことはなかった。いろいろと考えさせられるシーズンだった」。シーズン終盤には出場登録を抹消され、2軍でシーズンを終えた。

シーズン後には若手主体のフェニックスリーグにも参加した。「若い子がすごく一生懸命やっている姿を見て、気持ちの面で泥臭く、もう1回やらないといけない」。原点に立ち返り、打撃のズレも取り戻しつつある。来季は今季台頭した小園や林からポジションを奪う立場にある。「今まで通り、自分の仕事ができれば、とは思っている。皆さんの期待をいい意味で裏切りたい。芯が通ったように、若い選手の手本になるようにしたい」。チームのことを最優先に考えながら、虎視眈々(たんたん)と自身の巻き返しも狙っている。【前原淳】