ソフトバンク武田翔太投手(28)が22日、ペイペイドーム内で契約交渉に臨み、今季年俸6000万円から9000万円増の1億5000万円プラス出来高付き、しかも年俸変動制の4年契約を結んだ。来季中にも国内フリーエージェント(FA)権を取得する右腕に、球団はエース級の働きを期待し、異例の大型複数年契約となった。

武田は新人だった12年から活躍し、プロ10年間で通算63勝をマーク。だが16年の14勝を最後に2桁勝利からは遠ざかり、ここ5年は本領を発揮できずにいる。それだけに本人も「自分が一番びっくりしています」と、球団の高評価に驚きを隠さなかった。

三笠取締役GMは「この先、主軸の1人として活躍してくれる選手と評価している。年齢もまだ28歳。4年くらいはチームの先発ローテーションを支えてくれる能力がある」とポテンシャルに期待。さらに「来年のFA権取得を見越して、もしFA宣言した場合、どのくらいの市場価値になるかを想定してオファーした。未公開株のようなもの」と話した。実績なども踏まえ、FA宣言すれば争奪戦必至のエース級の価値があると判断したようだ。

武田は今季は開幕ローテーション入りも、12試合の登板で4勝5敗。右手指の故障などで後半戦は登板なしに終わっただけに、大型契約に奮起。「かなり期待してもらっている。最大限の感謝を努力で返したい」と巻き返しへの思いをより一層強めた。エース級の評価に結果で応えてみせる。(金額は推定)【山本大地】