甲子園打法さく裂だ!! 阪神ドラフト4位の前川右京外野手(18=智弁学園)が19日、2軍練習試合の四国IL・高知戦(安芸)で、プロ初安打を豪快な二塁打で飾った。

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プロ初スタメンでの6番DHで出場した4回。右腕釜谷の外角カットボールに逆らわず強振した。小雨を裂いた打球は反対方向にぐんぐん伸びた。そのまま左中間フェンスにズドン! 平田2軍監督は「入ったかと思ったよ」と声を上ずらせた。本人は「今日は今日。明日はどうなるか分からない」と引き締めたが、ベールを脱いだ怪力自慢はたくましかった。

打球方向に心構えが表れる。内は引っ張り、外は逆方向へ。安芸キャンプの打撃練習は広角に打ち分けてきた。指揮官も「コースで打ち分けられる。逆方向に長打を打てる。見事やで」とうなる。途中出場した12日の初陣、四国銀行戦は四球。この日も第1打席は四球で歩き、デビュー3打席3出塁と充実の内容だ。

阪神左打者の逆方向への大飛球はロマンをかきたてる。甲子園は右翼から左翼に浜風が吹き、右翼方向に打てば逆風になる。だが、左翼方向に打てば追い風になる。通算349本塁打の掛布雅之氏もフォローの風を生かして反対方向にアーチを量産。同僚だった平田2軍監督も「掛布さんは狙って打っていた。甲子園に順応されていた」と思い起こし、前川もうなずいた。

「いい形で長打になりましたけど、もうひと伸びして、スタンドに入らないといけない。パワーもつけないといけない」

頭脳的な二盗も決めた。四球で出た2回、プロ初盗塁に成功。試合後のミーティングで指揮官が走った理由を問うと「投手がホームに投げるリズムが一定だったので」と答えた。俊足ではないが、ベンチから初めて見る投手の癖を見抜いていた。打って走って、次代の大砲候補が安芸を沸かせた。【酒井俊作】

◆前川右京(まえがわ・うきょう)

▼生まれ 2003年(平15)5月18日生まれ、三重県津市出身。

▼球歴 白塚小1年から白塚バッファローズでソフトボールを始める。一身田中1年時から津ボーイズで硬式野球をはじめ、3年時に全国制覇。智弁学園では1年春からベンチ入りし、1年夏、2年夏の交流試合、3年春夏と甲子園に4度出場。3年夏は準優勝。高校通算37本塁打。

◆家族 兄、母、父。智弁学園1年時に、津田学園(三重)で三塁手の兄夏輝さんと一緒に甲子園に出場した。

▼海の男 趣味は釣り。正月には、母方の祖父政功(まさのり)さんが愛船「功勢丸」で漁獲した伊勢湾のワタリガニを食べ、英気を養った。

▼背番号 ドラフト4位入団で背番号は58。新入団会見では矢野監督から将来つけたい番号を問われ「6番です!」と即答。かつて阪神で6番を背負った金本氏には、昨年センバツ前にテレビ番組の企画で指導を受けたことも。

▼好きな色 「智弁が赤なので赤は好きです」。矢野監督と同様に勝負パンツも赤。野球用具にも赤をちりばめる。

▼サイズ 176センチ、88キロ。左投げ左打ち。