ブルペンデーでノーヒッター!! 昨季日本一のヤクルトが26日、オープン戦初戦となる楽天戦(浦添)で、中継ぎ投手7人のリレーで無安打無得点試合を達成した。19年には勝利の方程式として活躍した梅野雄吾投手(23)が3回1四球3三振で流れを作ると、6回から4番手で登板した清水昇投手(25)は7球で3者凡退とピシャリ。昨季は中継ぎ陣の奮闘もあって20年ぶりの頂点に立ったチームが、今季も層の厚さを見せつけた。

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チームを象徴するような“今季初勝利”だ。梅野が最速149キロの直球を軸に「3イニング全部、全力でいきました」と力配分無視の熱投で流れを作ると、元守護神で復権を狙う石山、昨季勝ちパターンを担い中継ぎだけで7勝を挙げた今野、70試合に登板し2年連続で最優秀中継ぎの清水、貴重な左腕として期待される坂本、高津監督と同じ広島出身で亜大でも後輩の大下が完璧なリレー。9回から登板した杉山も1四球で試合を締めた。“継投ノーヒッター”の快挙に高津監督は「いやいや、特にはないです」としたが「梅野もそうですけど、後から出てきたピッチャーもしっかりと課題を持って、今までやってきたキャンプの成果が出た、いい投球だったと思います」とうなずいた。

昨季は規定投球回到達者、2桁勝利投手がともに0ながら、リリーフ陣の踏ん張りもあって栄冠をつかんだ。現在は守護神マクガフこそコロナ感染の影響で調整が遅れているが、ブルペンは総じて順調な仕上がりだ。梅野は「常に投げられる体を維持して、1年間1軍で投げたい」と68試合に登板した19年以来の“勝ちパターン”入りへ虎視眈々(たんたん)。今キャンプで松坂大輔氏から教わった大小2種類のスライダーを試投した清水は「ストライクもファウルもとれたし、収穫あったのかなと思います」と前人未到の3年連続最優秀中継ぎへ手応えを示した。

延長12回制となる今季を勝ち抜くにはブルペンのさらなる充実は不可欠。開幕まで1カ月、昨季王者に“ヤク者”がそろってきた。【鈴木正章】

ヤクルトの今季投手陣

▼先発 小川、奥川、高橋、石川、高梨、金久保、原、田口、サイスニード

▼中継ぎ 清水、石山、今野、大西、梅野、大下、杉山、星

▼抑え マクガフ