阪神は2日、甲子園で1軍の全体練習を再開した。沖縄・宜野座キャンプメンバーが全員参加。外野手は入念にクッションボールを確認し、今季から拡大された外野フェンス沿いの「ウォーニングゾーン」対策に励んだ。筒井外野守備走塁兼分析担当コーチはフェンス際のプレーが増えると予測。球際のプレー向上に期待がかかる。

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近本、佐藤輝、糸井ら外野陣が左翼フェンス際に集まった。昨年11月24日の秋季練習以来、98日ぶりとなる甲子園での全体練習。大きく変わったのは、外野フェンスとフェンスの内側に引かれた白線の間の「ウォーニングゾーン」が拡大されたこと。フェンス激突を防ぐため選手の目安になるエリアで、従来の幅約1メートルから4・57メートルに広がり、茶色のアンツーカーから緑色の人工芝に張り替わった。環境に慣れるため、クッションボールやフェンス際の飛球の処理を繰り返した。

球場施設担当者によると、外野フェンス沿いは練習中のランニングの走路となるため、天然芝の発育に影響をもたらせていたという。そこを人工芝にしたことで負担を軽減。「美しい甲子園」の景観維持につなげたい思いもあるという。

筒井コーチは「ちょっと(芝が)柔らかめ。思った以上に硬さがなかったから、違和感が全然なくて」と変更によるデメリットは少ないとした。さらに「感覚ですけど、フェンス際のプレーが増えるのかな」と予想。人工芝に描かれた白線が従来よりくっきりとなり、フェンスまでの距離感をつかみやすくなり、フェンス際のプレーでのけが防止、さらに「ザ・キャッチ」のような好プレーへの期待が高まりそうだ。

昨季初のゴールデングラブ賞に輝いた近本も「(変更は)気にならないんじゃないんですか」と問題なしを強調した。長打かアウトか-。広くなった「ウォーニングゾーン」が、たった数センチで雲泥の差を生む外野フェンス際のプレーで、大きな味方になるかもしれない。【中野椋】