亜大が3季ぶり27回目の優勝を飾った。田中幹也内野手(4年=東海大菅生)らの3本塁打を含む14安打で日大を圧倒。連勝で勝ち点4とした。第2試合で国学院大に敗れた青学大を含め、残り試合で全勝しても勝ち点4に及ばないため、優勝が決まった。亜大は全日本大学選手権(6月6日開幕、神宮ほか)に出場する。中大は駒大に勝利し2連勝で勝ち点を挙げた。

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優勝の輪の中には、笑顔の田中幹がいた。「実感がない。でも優勝できてうれしい」と笑顔がはじけた。

優勝に王手をかけた日大戦は打で圧倒した。初回、田中幹が直球を左翼スタンド最前列に運び先制。流れを引き寄せると、チームはそれに続き3本塁打を含む14安打で圧勝した。

仲間の存在がチームを強くした。生田勉監督(55)は「中心選手(田中幹)が身をもって引っ張ってくれた」と話した。田中幹は昨夏、潰瘍性大腸炎を患い、11月、2度目の入院で手術を迫られた。結果次第で野球ができなくなるかもしれない。2週間悩み手術を決断。「高熱で食事もできない。野球を捨てても病気を治したいと思いました」。

そんな決断にも、チームメートは毎日連絡をくれた。「手術、頑張れ」。ビデオ通話に写真や色紙。「みんなが応援してくれている」。野球人生を懸けた手術は成功。「早くみんなに会いたい」と退院日は病院から寮へ直行。練習量を増やし、見事復帰を果たした。

チームのどん底を、田中幹が救った。2月上旬にはコロナのクラスターが発生し2週間、寮を閉鎖。キャンプも中止に。オープン戦は6勝10敗と負け越した。春季リーグ戦の目標は「入れ替え戦までに成長する」。体力づくりからの厳しい練習も、1日でも早く復帰しようと励む姿が力をくれた。今季6勝の青山美夏人投手(4年=横浜隼人)は「幹也はチームに欠かせない大きい存在。体は小さいんですけどね(笑い)」と信頼を口にした。

支えあえば大きな力を生む。副主将の小宮諒太郎内野手(4年=堀越)は「僕たちは力がないのでミスをする。みんなでそれをカバーしてきた」と話した。バント、声、そして全力疾走。1人1役、亜大野球を貫き優勝を手にした。生田監督は「いい選手がいなくとも、チームがまとまったら勝てる」と成長した選手たちに目を向けた。チーム一丸、次は全国制覇へ突き進む。【保坂淑子】

 

▽巨人平内 後輩たちの活躍がとてもうれしいです。次の全日本選手権で日本一を目指して頑張ってください。

▽巨人北村 母校の活躍が刺激になっています。次の全日本大学野球選手権でチーム一丸となって優勝目指して頑張ってください。