連勝が「10」で止まった夜も、スピードで魅了した。阪神近本光司外野手(28)が、自慢の足で虎のレジェンドたちに並んだ。初回に大瀬良から3試合連続安打となる中前打を放ち出塁。中野の打席で二盗に成功し、リーグ単独トップ20個目の盗塁を決めた。

新人から5年連続20盗塁は、「牛若丸」吉田義男の5年連続、「レッドスター」赤星憲広の9年連続に続き、球団3人目の偉業だ。令和を生きる背番号5が、球団史に残るスピードスターの仲間入り。「また頑張ります」と静かに言った。

兵庫・社高では「飛び抜けて速くなかった」という。関学大では脚の回転の速さを求めることに意識を置いた。歩く時にも地面からの反発を意識し、体に染みこませてきた。研究し鍛錬した末に、プロでも屈指の俊足をつかみ取った。

だからこそ、言える。「しっかりケアとトレーニング、走り方も勉強して取り組んできたから。俺は今が一番足が速いと思ってプレーしてるし、今が一番打てると思ってる」。常に“全盛期”の心意気があるから、加速は止まらない。

3回には右前打。新人から5年目までの安打で球団2位赤星憲広の739安打に並んだ。この日2得点で、12球団トップ62得点。1番打者の仕事を果たした一方、2点を追った9回無死一、二塁では二ゴロ併殺打に倒れた。試合後、「1本出したかったか」と振られると「そりゃそうでしょ」と吐露。近本なら、またすぐにやり返すはずだ。【中野椋】