<日本生命セ・パ交流戦:広島4-0ロッテ>◇7日◇マツダスタジアム

熱投129球で大記録だ。広島大瀬良大地投手(32)が、史上90人目となるノーヒットノーランを達成した。ロッテの打者31人に対し5四球2奪三振。球団では12年の前田(現タイガース)以来12年ぶり5人目。本拠地マツダスタジアムでは初の快挙だった。自身にとって交流戦5年ぶり白星を大記録で飾り、チームを3連勝に導いた。完全復活を印象付けた大黒柱とともに、チームも6日ぶりに首位浮上だ。

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強い心を持つ大瀬良でも、一部ファンの心ない言葉にすべてを投げ出したくなることがあった。好投しても打線とかみ合わない登板が目立ち、思うような結果を残せない日々が続いた昨季、自分へ不満を募らせるファンの思いは理解できた。誰よりも、怒りを感じていたのは自分自身だったからだ。

だが、鋭さのある言葉は大瀬良の胸を刺した。冷静さを保てないほど、こたえた。「見ないようにと思っても目に入るし、聞かないようにと思っても聞こえてくる。味方はいないんじゃないかと…」。そんな言葉をこぼした時、叱ってくれた真由夫人にハッとさせられた。「たぶん僕よりもつらい思いをしているはずなのに、僕が励まされてしまった。本当に強い人です」。支えるだけでなく、ともに戦っている家族がいたからこそ、乗り越えられた。

手をつないで散歩する時間が何よりいとおしい愛息の成長も大きな支えだ。この日手にしたウイニングボールについて聞かれた大瀬良は「息子の遊び道具になるかもしれないですけど、息子に渡してみます」と、この日一番の笑顔を見せた。【広島担当 前原淳】