阪神が逆転サヨナラ勝ちを飾り、首位広島に1ゲーム差の3位に浮上した。一時は4点ビハインドを背負いながら、DeNA守備陣のミスにもつけ込んで反撃を継続。最後は1点を追う9回裏2死満塁、代打原口文仁内野手(32)の右前適時打が右翼手・度会の悪送球を誘い、劇的勝利で2連勝&2カード連続勝ち越しを決めた。「七夕」7月7日の連敗を2で止めた虎。再び勢いづきそうだ。

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7月7日、甲子園が歓喜に包まれた。逆転サヨナラのフィナーレで七夕の夜を派手に彩った。

1点を追う9回2死満塁。代打の切り札、原口が決めた。集中力を上げ、初球からスイング。狭い一、二塁間を抜けた。まず1点。同点だ。すると、「七夕」ならぬ「タナボタ」が起きた。前進守備から猛チャージをかけた右翼の度会がなんと右ゴロを狙い、一塁に送球。原口はそれに気付いて全力疾走していた。そのボールがそれてファウルグラウンドを転々とする間に、二塁走者の梅野もホームに駆け込んだ。

あっという間に原口を中心に歓喜の輪ができた。「バモス! バモス!」と誰もが叫んだ。「ダッグアウトにいる時からこの場面をイメージしていました。必死のパッチで走りました。みんながベンチから飛び出たのが見えたので良かったです」と興奮気味だ。

3点差以上をひっくり返しての白星は今季初。岡田監督は「初めての点の取り合いでしょ。それを勝ち切ったのはやっぱり大きい。久しぶりのこういう展開やからな。(展開に)動きがあったから、なんかいけるんちゃうかというのはあったよ」と振り返った。最後まで予測不能な逆転勝利だった。

西勇が早々に崩れ、5回表の時点で0-4。だが、この夜は粘り強かった。5回、野口のプロ初安打に敵失が絡むなどして2得点。6回も野口がプロ初打点となる犠飛で1得点。8回にも中野の右前適時打で1得点。じわじわと1点差まで詰めて9回を迎えた。全員で白星をつかみ取った。

原口は試合前、ファンクラブ会員で、手術を控えたファンの男の子と交流していた。3人の女の子のパパでもある原口は「うん、うん」と優しいまなざしを向けた。「いい思い出にして勇気をあげたかったし、手術を頑張ってもらいたかった」と振り返った。

タイガースがたくさん勝利をして、みんなの人生が豊かになりますように-。原口は球団の短冊にそうしたためていた。「書いたことをこの場面で、できると思っていなかった」。照れくさそうに言って、ファンに手を振った。首位広島とはついに1ゲーム差。最高の夜になった。【柏原誠】

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