雷様の機嫌が悪くなる前に、村神様が太鼓を鳴らした。ヤクルト村上宗隆内野手(24)が、初回に12球団単独トップの21号2ランをマークした。2回以降から降り出した雨。徐々に雨脚は強め、雷も交じった。4点リードで迎えた5回裏。村上に打席が回ったところで、激しい雷雨のため試合は中断した。30分後、降雨コールド勝ち。雷鳴にも打ち勝ち、チームに2連勝を呼び込んだ。
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空は真っ黒。神宮の右中間後方には、真っ黄色の稲妻が落ちた。ヤクルトが4点リードで迎えた5回裏。無死一、二塁で村上に打席が回って来たところだった。球審が試合の一時中断を知らせると、打席の村上は後ずさりし、小走りで一塁側ベンチへ下がった。おへそを隠すように前かがみで。好機だったが「もちろん雨が降ってなかったらあれですけど、いや危なかったので」と苦笑いした。ベンチで「危ない」と漏らすほど、止めどない落雷。30分の中断後、降雨コールド勝ちが宣告され「良かったです」と雷様の“攻撃”をかわした。
こうなることは分かっていたのかもしれない。全知全能の「神」なら。
試合前から、空模様は怪しかった。ならば、と村神様は第1打席で仕事を完遂。0-0の1回2死一塁。阪神先発・及川が初球から2球続けて投じたカットボールを見逃さなかった。やや外寄り高めのコースを強振。打ち損じることなく、右中間スタンドへ放り込んだ。「とにかく強い打球を意識しながら打ちにいきました」と、12球団単独トップの21号2ランの雷鳴を響かせた。
神のお告げのような1発。雨は2回から降り出した。小雨だった雨脚は、次第に大粒のものとなった。5回に入るころには、ゴロゴロと雷様が現れた。自然の猛威を前に、完封勝利。村神様の早い仕掛けがあったからこそだった。「相手がどこであろうと勝てたのはすごくうれしい」。雷様が機嫌を損なう前に、先に大きな太鼓をたたいた。【栗田尚樹】
▼ヤクルト高津監督(村上の1発に)「前後で必ずランナーがいますし、得点するなり、打点を挙げるなり、やっぱり点を取るための一番大きな存在といっていいんじゃないですかね」



