4時間20分の激闘に決着をつけたのは日本ハム清宮幸太郎内野手(26)だった。延長11回2死満塁の第6打席。西武山田から、二遊間を破る自身今季初のサヨナラ打。9回に2点差を追いつかれる苦しい展開の中、優勝争いを繰り広げるチームを救う劇的打となった。

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右手人さし指を突き立てて駆け出し、ヘルメットを脱ぎ捨てた。自身今季初のサヨナラ打で激闘にケリをつけた清宮幸は、飛び跳ねて向かってくる万波と水谷を抱き留めた。「なんかいつも喜ぶ側だったんで、やっぱみんなが飛び出てくるところを見てたらうれしかったです」。延長11回2死満塁。カウント2-1から、西武山田の低め変化球を中前に転がした。逆転Vへ、貴重な白星を拾う一打に、本拠地ファンは酔いしれた。

新庄監督から直接声をかけられた。同点に追い付かれた9回、2死一、二塁で打席に向かう前のことだった。「『頼むぞ』みたいな感じで言われた」。高めに浮いた変化球をとらえ、清宮幸らしい放物線で中堅後方を襲った大飛球だったが、西川のグラブに収まり結果は中飛。延長戦に突入した。「あそこの期待に応えられなかった。でも、なんて言うんですかね…期待してるぞみたいな、そういうボスの姿みたいなのがずっと脳裏に焼き付いていた」。再び巡ってきたサヨナラ機。「2回はないぞって」。覚悟を決め、バットを振り抜いた。

エスコンフィールドが歓喜に沸いた頃、ナイターの首位ソフトバンクもすでに試合が始まっていた。清宮幸は「もう負けられないんで。勝つしかないんで。勝ちにこだわっていきたいです」と言った。首位で折り返し、7月末に追い越され、離され、それでも食らい付く。絶対王者とのマッチレースは、最終局面を迎えている。

それでも若い選手が多いベンチ内は「いつも通りだと思います。みんな明るくやってますし、全然気負ってないと思う」。ファンの希望を乗せて続けてきた大航海も、残りは14試合。清宮幸はお立ち台で声を上げた。「1試合も落とせません。みなさん一緒に優勝しましょう!」。9年ぶりの頂点へ向け、しっかりと帆を張った。【本間翼】

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