<イースタン・リーグ:日本ハム7-10湘南>◇2日◇鎌ケ谷

 日本ハム中田翔内野手(20)が、元巨人大森、元西武ポールが持っていたイースタン・リーグ本塁打記録を塗り替えた。1回、湘南小林の132キロスライダーを左中間場外へ運んだ。「完ぺきでした。追い込まれて指1本分短く持った。軽く振り抜いたら飛んでいきました」。自画自賛の通算27本塁打でリーグ記録に肩を並べた。

 続く3回には初球の速球を左中間席へ28号。タイ記録からわずか40分後に新記録を樹立した。「やっぱり1軍で打たないと」。3安打で打率も3割2分3厘に上昇し、本塁打、打点と合わせて同リーグ打撃部門3冠を独占した。「ホームランより率の方がうれしいですね」と笑顔で振り返っていた。

 しかし、試合前の練習には開始時間を勘違いし遅刻。水上2軍監督から「野球人の前に社会人だろ」とカツを入れられ、グラウンドにいたダルビッシュから中指で額をたたかれる「デコピン」で愛のムチを受けた。「時間を間違えていました。7時には1度起きたんですけど…」。到着は1時間ほどたった午前10時半。寝坊ではなく、勘違いを必死に弁明していた。

 記録を引っさげ夕方にロッテ戦(千葉マリン)の1軍に合流したが、今度は梨田監督、福良ヘッド兼打撃コーチの説教タイムだ。福良コーチは「時間を守らないやつは最低」とピシャリ。結局出番なく、「2軍に落ちないよう頑張りたいと思います」。めでたい1日なのに、肩を落としっぱなしだった。

 [2009年9月3日8時39分

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