<オリックス3-3日本ハム>◇27日◇京セラドーム大阪
日本ハム中田翔内野手(21)が「第2の故郷」で大ハッスルだ。オリックス戦でプロ入り初の1試合4安打をマーク。2回の第1打席で左越え二塁打を放ち、緩慢な守備のスキを突きヘッドスライディングで三塁を陥れると、2打席目以降も左前打3本と固め打ちした。8試合連続安打、3試合連続マルチ安打もプロ初。引き分けに終わったが、高校時代を過ごした大阪での凱旋(がいせん)試合でファンを魅了した。
中田は派手な乱れ打ちにも、落ち込んでいた。プロ初の1試合4安打で、4時間45分の死闘を終えた。自身の記録よりも、引き分けに終わった一戦を引きずった。逆転Aクラスを狙う眼下の敵、オリックスを仕留められない。「何もない。次につなげるということが多くできたという意味では、うれしかったですけれど」と無念の表情だった。
奮い立つシーンを目前にしても、冷静だった。延長12回2死一、二塁。1点奪えばケリを付ける可能性が高いチャンス。直前の1死一、三塁。二岡の三ゴロで、三塁走者の陽が突っ込み本塁憤死した。梨田監督が猛抗議に飛び出すほど微妙な判定。周囲の憤りに似た異様な熱気を感じたが、中田の狙いは澄み切っていた。
「自分の打席しかアタマになかった」。外角スライダーにバットを投げ出すようにとらえ、三遊間をゴロで抜いた。勝ち越しの決勝点につながらず、紙一重でヒーローの座は奪えなかったが、初めての4安打目。3安打を放った3日ソフトバンク戦に続く、自身2度目の猛打賞と奮闘した。梨田監督が「粘ってよくつないでくれた」と称賛する働きで、存在価値を高めた。
思い出の地で、本能が目覚めた。大阪桐蔭での3年間を過ごした大阪で初スタメン。今季公式戦初の凱旋で、昨季は2試合2打数無安打の京セラドームで4度、快打を飛ばした。4安打とも変化球。「たまたま。でも変化球に合わせていこうかと思っていた」。懐かしい空気に触れ、直感もさえた。
ここ5試合で18打数10安打の打率5割5分6厘。連続試合安打の自己記録も「8」へと伸ばした。この日の先発は1軍でただ1人の後輩、ルーキー中村。プロ初登板初勝利を挙げ、次戦の激励も兼ねて食事に誘うと「いいッスよ」と上から目線で返答され、苦笑交じりに憤慨したが「今どきの普通の18歳。落ち着いてますね」と、その度胸に感嘆した。同世代右腕を救う思いも、安打連発の原動力となった。【高山通史】
[2010年8月28日8時31分
紙面から]ソーシャルブックマーク



