あるぞ、開幕センター!

 ソフトバンクのドラフト2位・柳田悠岐外野手(22=広島経大)が15日、今キャンプ初の紅白戦に白組の「6番・中堅」で先発。初の実戦で、2打数2安打1盗塁と猛アピールした。秋山幸二監督(48)から好評価を得て、開幕スタメンの座が見えてきた。

 ルーキー柳田が初実戦でいきなり結果を出した。2回1死、岩崎の2球目をフルスイングで中前へ運んだ。勢いは止まらない。5回1死の第2打席。左横手投げの森福と対戦。外角の直球を軽く左前へ、はじき返した。投手有利とされる左対左の勝負も苦にしないところを見せつけた。

 打つだけではない。50メートル5秒9の俊足も披露した。森福から安打を放った直後、7番細川の2球目で、二盗を決めた。2打数2安打1盗塁。中堅のレギュラーへ猛アピールした。

 「森福さんの(初球の)スライダーはえぐかった。2球目は、外角の直球がきたので、逆らわずに打つことができた」。

 開幕中堅の座が見えてきた。新人ではただ1人、A組(1軍)に参加。高い身体能力を武器にした俊足、強肩、長打力を、連日アピールしている。秋山監督は「センスもいい。思い切りもいい」と高評価。昨季のレギュラー長谷川らを脅かす存在になってきた。藤井打撃コーチは「長谷川と柳田で高いレベルの競争をしてくれれば、全体の底上げになる」と期待を寄せた。

 適応能力もレギュラークラスだ。藤井コーチは「柳田は上体だけで打っていた部分がある。でも、今日のティー打撃で力を抜いて打てていたので、その感覚で打てと言った」と説明した。下半身の使い方が課題だったが、この日は力を抜いてスイングできた。コツをつかみ、実戦で結果を残した。

 20歳の誕生日、母由美子(50)さんに「生んでくれてありがとう。プロに入れるように頑張るから」とメールを送った。それから約2年、開幕スタメンが見えるところまできた。「練習の虫になります。それしかないですから。開幕戦で先発で試合に出られたら、夢みたい。でも、実現させますよ」。

 今季のソフトバンクはカブレラ、内川らが加入し層がぐっと厚くなった。さらに柳田の台頭で競争がさらに激化する。大型新人が、超豪華布陣のタカに新風を吹かせてみせる。

 [2011年2月16日12時32分

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