吉報の秋や!

 阪神は26日、マット・マートン外野手(32)の残留を発表した。この日(現地時間25日)米国テネシー州ナッシュビル市内で、1年契約の推定350万ドル(約3億5000万円)で合意。今季「チーム3冠王」だった助っ人は、9年ぶりのリーグ制覇へ強い意欲を見せた。守護神候補の呉昇桓投手(31=サムスン)と4番候補マウロ・ゴメス内野手(29=ナショナルズ)の新加入、開幕投手メッセンジャーの残留に続き、またもうれしい知らせが飛び込んできた。

 虎党は笑顔の毎日だ。最近のお約束のように、またしても海の向こうから吉報が届いた。マートンが来年も甲子園にいる。左右に打ち分ける巧みさと、サヨナラ劇の主役を続けた勝負強さを、まだまだ見ることができる。シーズン後はメジャー復帰の可能性も見せていたが、タテジマ5年目を選んだ。決定打はやはり、Vへの思いだった。

 マートン

 日本での5年目を再び、阪神タイガースでプレーできることに大きな喜びがあります。やはり、このチームで優勝を勝ち取りたいと強く思っています。

 球団に託したコメントとともに、会心の笑みも伝わってきた。ガッチリ握手するのは、新任のオマリー打撃コーチ補佐だった。22日に新外国人ゴメスとの契約に同席した“相談役”は母国でもフル稼働している。帰国前に「マートンの抱いている心配事を取り除いてあげたい」と宣言した通り、早くも右手だけでなくハートもつかんだようだ。ゴメスとの「三人四脚」で、猛虎打線をけん引する。

 マートン

 今年は本当に悔しいシーズンで終わってしまった。夕食を共にさせてもらったオマリーコーチは、03年にコーチとして優勝を経験されているし、シーズン中に多くのアドバイスをもらえることと思っております。

 わずか1週間足らずで、和田阪神3年目の軸が定まった。22日にゴメスと157キロ右腕の呉昇桓を獲得。24日はメジャー流出危機だったチーム最多勝メッセンジャーの残留が決まり、チーム3冠王だったマートンも契約延長となった。年俸は昨年より50万ドル(約5000万円)増えたものの、契約は1年。結果を残さないといけない状況を受け入れた。「しっかりと体を作って来年のキャンプに合流させてもらいます」。実績は十分、日本一の助っ人軍団が日本一へ導いてくれる。