ロッテに新人2人の異色ユニットが誕生した。ドラフト3位の三木亮内野手(22=上武大)と同6位の二木(ふたき)康太投手(18=鹿児島情報)が10日、「チーム五木」を結成した。三木の「三」と、二木の「二」を足して「五木」。ロッテ浦和球場で行われた新人合同自主トレの2日目は、いつの日か2人でお立ち台に上がることを目標にタッグを組んだ。

 即戦力内野手の三木と将来性が買われる投手の二木。接点の薄そうな2人だが、同期入団となったのは運命だったのかもしれない。三木は「同じような名前が同期にいるのには縁を感じる」と言った。そして「いつか2人でお立ち台に立てればと思う。ニキミキコンビ。いや、チーム五木でいこう」と後輩に呼び掛けた。二木も「いつか一緒に1軍で活躍したいと思う」と喜んで応じた。「チーム五木」誕生の瞬間だった。

 日本を代表する演歌歌手、五木ひろしのように、存在感のある選手を目指す。そのためにも継承しなければいけないことがある。昨季限りで引退した薮田の「五木ガッツポーズ」だ。チーム内では薮田のガッツポーズが、五木ひろしが歌う際のポーズに似ていると言われ続けていた。薮田がいなくなった今、後を継ぐのはチーム五木しかいない。

 内野手の三木は「僕はあんまりガッツポーズのチャンスがないかもしれない。それは二木に任せます」と、継承者を二木に譲った。二木は「三木さんはそういうキャラではないので、自分がやります」と言うと、「こうですかね」とさっそく習得に取りかかった。ただ、この日はユニット結成の晴れの日。第1歩をしるすためにも、2人そろっての「五木ガッツポーズ」を決めてみせた。

 堅実な守備とスローイングが武器の三木は「開幕1軍を目指したい。守備は10割を目標にしている」と言う。長身右腕の二木は「1日でも早く1軍に上がれるように頑張りたい」と体作りに励む。新人合同自主トレが終われば、2人がともに練習する機会はほぼなくなる。だが、この日の誓いを実現するため、それぞれに自分を磨き上げていく。【竹内智信】

 ◆三木亮(みき・りょう)

 1991年(平3)10月25日、大阪府高石市生まれ。遊学館から上武大を経てロッテ入り。昨年はチームを日本一に導いた。内野はどこでも守れ、パンチ力もある。右投げ右打ち。175センチ、78キロ。

 ◆二木康太(ふたき・こうた)1995年(平7)8月1日、鹿児島県霧島市生まれ。鹿児島情報では3年夏に県4強。最速143キロの角度ある直球とフォークが武器。与四球が少なく、安定した制球も魅力。右投げ右打ち。188センチ、74キロ。<球界の主なユニット>

 ◆ON

 巨人のV9を支えた王貞治、長嶋茂雄の3、4番コンビ。

 ◆スーパーカートリオ

 85年大洋で1~3番を打った高木豊、加藤博一、屋鋪要の俊足トリオ。全員が40盗塁を超えた。

 ◆バッシュブラザーズ

 80年代後半に大リーグを席巻したアスレチックスの強打コンビ、カンセコとマグワイア。

 ◆F1セブン

 01年阪神の赤星憲広、藤本敦士、沖原佳典ら俊足7選手。野村監督が名付けた。

 ◆ロケットボーイズ

 00年代前半に活躍したヤクルト石井弘寿と五十嵐亮太の速球派救援コンビ。

 ◆JFK

 05年優勝の原動力となった阪神の救援トリオ。ジェフ・ウィリアムスと藤川球児、久保田智之の頭文字。

 ◆スコット鉄太朗

 巨人の強力救援トリオ、スコット・マシソンと山口鉄也、西村健太朗。