「W杉ちゃん」からびっくりアドバイスだ。開幕1軍入りを狙う中日の2年目浜田達郎投手(19)にとって12日は不思議な1日だった。ブルペンで近寄ってきたのは臨時投手コーチを務める杉下茂氏(88)だ。

 キャンプ序盤から若き左腕を目にかけているフォークの神様が、あるアドバイスをした。いつもは技術的な話題だが、この日はなぜか「投げすぎるなよ」。むやみやたらに投げるな。メリハリをつけろ。初日からブルペン皆勤の浜ちゃんはハッとなり、キャンプ最少の51球で投球を切り上げた。

 実はブルペンに入る前にもう1人、浜田に声をかけた人物がいた。それがお笑い芸人のスギちゃんだ。「(室内で)キャッチボールしていたら後ろにいたんでビックリしました」と浜田。ノースリーブのデニムベストにデニムのショートパンツ。あのスタイルで、話しかけられた。

 元高校球児のスギちゃんは浜田の昨季2軍での防御率6・39という成績を知ると「う~ん」と腕組み。「どれだけ早く開き直れるか。当たったらしょうがない。謝ればいいんですよ」とワイルドな投球をリクエストした。

 スベってもスベってもへこたれない?

 自らを一流ゴルファー並みのメンタルと豪語するスギちゃんからの身に染みるお言葉だ。浜田も「どんどん攻めていきたいです」と大感激。偶然にも同じ日に2人の「スギちゃん」から目の覚めるような助言をもらった。谷繁監督の初実戦となる15日韓国KIA戦の登板も検討される左腕に追い風が吹いた。【桝井聡】

 ◆中日キャンプの珍客

 野球関係者だけではなく各界から著名人が訪問する。昨年までは高木前監督のファンを自称するザ・ドリフターズの高木ブーがキャンプを訪れた。今年は大の中日ファンでナゴヤドームで始球式を行ったこともある俳優宇梶剛士が訪問。ユニホームからスパイクまで森野と同じ格好の“ニセ森野”も例年通り現れている。