<阪神4-3DeNA>◇2日◇甲子園

 DeNA中畑清監督(60)が試合終了後に退場処分となった。1点リードの9回1死満塁。阪神今成が左前打を放った。三塁走者坂が生還し、二塁走者マートンも本塁を狙った。左翼松本からボールを受けた遊撃白崎が本塁へ送球。タイミングはアウトに見えたが、マートンの足が捕手黒羽根の足の間をすり抜けてホームをとらえた方が早かったと判定された。一瞬にして逆転サヨナラ負けとなった。

 タイミングはアウトだっただけに、中畑監督はベンチを飛び出し、吉本球審に体当たり。審判員への暴力行為があったと判断され、退場処分を受けた。それでも怒りがおさまらず、何度も胸を突きだし、猛抗議。ナインも中畑監督の周りを取り囲んだ。「どう見てもアウトに見えたから抗議にいった。足が入ってると言われた。マートンも滑り込んでアウトだと思っているぐらいだった。声がかれてるよ」と、怒りを抑えるかのように淡々と話した。

 クライマックスシリーズ(CS)進出がかかる大事な3位阪神との初戦。3連戦で勝ち越さなければ、3位浮上が厳しい状況になるだけに中畑監督はヒートアップした。だが、抗議もむなしく、阪神との差は6・5ゲームに広がった。【細江純平】

 ▼中畑監督の退場は巨人コーチ時代の94年7月24日中日戦、DeNA監督になってから12年9月16日ヤクルト戦、13年4月16日広島戦、同5月15日楽天戦に次いで通算5度目。通算5度以上の退場は14人目。セ・リーグの5度以上はブラウン監督(広島)8度、落合監督(中日)7度に次ぎ、星野監督(中日、阪神)野村監督(広島)の各5度と並び3番目に多い。

 ◆試合終了後の主な退場

 大沢監督(日本ハム)が83年6月28日近鉄戦の9回裏、守備妨害を巡り塁審を突き、試合終了後に退場宣告を受けた。大島(日本ハム)は91年8月6日ダイエー戦の9回2死、三振と判定されたハーフスイングに激高し、審判を突いて退場。97年7月10日には東尾監督(西武)が近鉄戦終了後、暴言を吐きながら塁審の胸を突いて退場。