今場所から3年半ぶりに解禁された支度部屋取材を行う中で最も驚いたのが、十両の玉正鳳(30=片男波)の多忙ぶりだ。所属力士4人と少数精鋭の部屋という台所事情もあるが、関取でありながら付け人につくのは異例。自身の取組後は義理の兄でもある38歳鉄人の玉鷲のサポートに回り、あっちに行ったり、こっちに行ったりとせわしない。それでも本人は「1日が長いですよぉ~」とどこか楽しげだ。

日々の流れは場所入りして自身の取組に向け準備→取組→風呂に入って支度部屋に戻り取材対応→浴衣に着替えて玉鷲のもとで付け人の仕事をする。支度部屋では玉鷲の強烈な突きを受けたり、立ち合いの確認のために胸を出したり。強烈なのど輪を受けて苦しそうに顔をゆがめることもあった。兄弟子の取組を報道陣と一緒にテレビで眺め一喜一憂し、帰り支度が済んだ玉鷲と一緒に会場を後にする。

忙しく、気疲れも絶えないはずだが「我慢ですよ」と辛抱強い。「幕内に上がったら、さすがに付け人は卒業かな」と期待する。そんな支えに「付け人という言葉が好きじゃないよ。1つのチームでやっているから」と玉鷲。感謝の言葉をそばで聞いた玉正鳳の口元が緩んだ。【平山連】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)