三役格行司の式守勘太夫(57=朝日山)がこのほど、元横綱若乃花の花田虎上さん(55)から明け荷を贈られた。
行司は十両格以上に昇進した時に資格者となり、行司名入りの明け荷を使うことができる。関取衆と同じ大きさ、デザインで装束や軍配などを入れて本場所や巡業ごとに持ち運ぶ。
勘太夫は2001年に十両格に昇進して以来、ずっと同じ明け荷を使い続けてきた。錦之助、与太夫、与之吉、勘太夫と改名のたびに名前を塗り替えてきたが、さすがに明け荷の傷みが目立つようになってきた。
当初は約10万円だった明け荷も、今は約18万円。製作する職人は今や京都に2人しかいない。貴重な品になっている。どうしたものかと朝日山親方(元関脇琴錦)と話をしていると、元若乃花の花田さんに電話をして、その場で譲り受ける話をつけてくれたという。
関取は化粧まわしを贈られると同時に、明け荷もついてくる。横綱は三つぞろえを贈られるため、明け荷は3つずつ増えていく。数多くの明け荷を保持する花田さんは初場所中、国技館まで持ってきてくれた。勘太夫は「ありがたくつかわせていただきます。とてもきれいでした」と感激しきりだ。
「若乃花」と書かれた部分は今後、時機を見て「勘太夫」に塗り替える。実は、塗料を使って塗り替える作業は、十両格行司の木村千鷲(48)が得意としている。
花田さんは「ほかにも困っている方がいたら、いつでも言ってきてください」と太っ腹なコメントをしてくれた。【佐々木一郎】
(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)




