WWEヘビー、ユニバーサル統一王者ローマン・レインズ(37)率いるユニットが米マットを席巻している。そのユニット名はザ・ブラッドライン。血統を意味する名前の由来通り、レインズの親族を中心とした選手で構成される。ユニット顧問のポール・ヘイマン(57)を含めたレインズ一派のメンバーを同ユニットの歴史とともに紹介する。

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有名なプロレス一家となるアノアイ・ファミリーが結束したユニットがザ・ブラッドラインとなる。レインズがヒール転向した20年8月、ブロック・レスナーら数多くの人気レスラーのマネジャーやスポークスマンを務めてきたヘイマンを顧問として迎えたところからユニットは始まった。

◆ローマン・レインズ(37) ザ・ブラッドラインの設立者。20年8月、WWEユニバーサル王者ブレイ・ワイアット、ブラウン・ストローマンとの3WAY形式王座戦を制し、王座獲得。同王座を懸けて対戦したいとこのジェイ・ウーソを皮切りに、ジェイの双子の兄弟ジミー・ウーソも仲間に引き込んでユニットを拡大。王者としても22年4月、年間最大の祭典レッスルマニア38大会でWWEヘビー級王者ブロック・レスナーとの王座統一戦を制した。9月23日現在、ユニバーサル王座の保持期間は754日となる。

◆ジェイ・ウーソ(37) 20年9月、WWEユニバーサル王座挑戦権をつかみ、いとこの同王者レインズに挑戦したものの、陽動作戦にはまって連敗。レインズの軍門に降り「右腕」として活動開始した。ジェイがレインズへの忠誠心が強すぎた時期にジミーと意見相違で対立したものの、最終的に和解。21年7月にはレインズ、ジェイ&ジミーのウーソ兄弟、ヘイマンによる現在のユニットが誕生した。

◆ジミー・ウーソ(37) 21年7月にジミーがザ・ブラッドラインに加入し「ウーソズ」が再結成されると、すぐにジェイとタッグ戦線に殴り込みをかけた。21年7月、プレミアム・ライブイベント、マネー・イン・ザ・バンク大会でスマックダウン(SD)タッグ王者レイ・ミステリオJr.、ドミニク・ミステリオ組を下し、5度目のSDタッグ王座戴冠を果たした。22年5月にはロウ・タッグ王者ランディ・オートン、リドル組とのタッグ王座統一戦に勝利し、ユニットメンバー全員でシングル、タッグ両最高位王座を統一した。

◆ソロ・シコア(29) 「ウーソズ」の弟シコアは22年9月のWWE英国イベント、クラッシュ・アット・ザ・キャッスル大会で初登場。挑戦者ドリュー・マッキンタイアに苦戦した王者ローマン・レインズのセコンドとして姿をみせた。マッキンタイアを妨害し、レインズの王座防衛に貢献した。その直後のSD大会で新メンバーとして正式に紹介された。

◆サミ・ゼイン(38) 22年4月、マッキンタイアとの抗争を繰り広げる中でザ・ブラッドラインのロッカールームに入り込み、レインズとヘイマンに忠誠心をみせた。その後、ユニットの試合を支援し、ユニットのTシャツを着用。最終的にレインズの信頼を得た。所属メンバーの中でただ1人、血族ではない。

シングル、タッグのWWE最高位王座を独占し、今なおザ・ブラッドラインは勢力を拡大し続ける。盤石にも見える同ユニットだが、唯一の懸念材料は「裏切り」「造反」を得意とするお調子者のゼインの存在だろう。時にジェイとはリング内外で“内紛”を起こしている関係にある。ユニット内部崩壊の危機が漂うメンバー構成が、ファンの耳目を集めるという面白いユニットになっている。【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/連載「WWEの世界」)

ザ・ブラッドラインのメンバー。左端からジェイ・ウーソ、ポール・ヘイマン、ジミー・ウーソ、ローマン・レインズ、ソロ・シコア、サミ・ゼイン(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserved
ザ・ブラッドラインのメンバー。左端からジェイ・ウーソ、ポール・ヘイマン、ジミー・ウーソ、ローマン・レインズ、ソロ・シコア、サミ・ゼイン(C)2022 WWE, Inc. All Rights Reserved