ボクシングWBA、IBF世界ライトフライ級王者田口良一(31=ワタナベ)が、前半KO防衛を厳命された。20日の挑戦者ブドラー(南アフリカ)との防衛戦を控え、14日に都内のジムで練習を公開した。渡辺会長らの陣営に加え、先輩の元世界王者内山氏からも早期決着指令を受けた。

 試合のキャッチコピーは「歴史を作る」。WBAは日本6位タイ8度目、IBFは初防衛戦だが、2団体統一王座防衛なら日本人初となる。田口も「史上初はうれしい。なんとしても勝ちたい」と意欲を示した。

 そこへ渡辺会長は「6回KO」を要求した。セミはIBF世界ミニマム級王者京口のV2戦だが、テレビ中継は田口の試合から1時間。「早く終われば京口も放送できる」という理由だ。京口につく井上トレーナーも当然同調した。

 さらに田口につく石原トレーナーも「次に集中したいので巻きでお願い」と要望した。世界戦後にもWBOアジア太平洋ライト級王者荒川のV2戦があるため。トドメはテレビ解説の内山氏で「おれの仕事を早く終わらせてくれ」。田口は「頑張るけど、焦らず自分のペースで。先に謝っておく。後半KOできれば」と重圧に苦笑しきりだった。【河合香】